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ラーソン・ジュール・ニッポン株式会社

モールディング・カスタムフレームの額縁専門商社

アートケアの専門知識

マイクロチャンバーとアートケアの技術

はじめに

紙や布のようなシート状の芸術作品は、紙や布を基底材としてその上に描画されたもの、写真や書など、古文書などのドキュメント等、すべての芸術品の大きな部分を占めています。
これらの作品の展示や保管については、作品自体が物理的に弱い材料であるため特別な配慮や処置が必要で、材料や処理法の研究・改善が保存科学者、修復家、製紙または材料の製造業者などによって行われてきました。
これらの作品が展示される場合、多くは作品の保護のためにマットボードやマウントボードをつけ、紫外線防護のガラスを備えた額縁に入れる、いわゆる額装が行われますが、この時に作品の保存や保護の目的に耐えられる品質を充分に有した材料が使われなければ、むしろ作品に有害である状況を作り出すこととなります。
特に作品に接して、作品を保護するマットボードやマウントボードは、ボードに使用される紙の研究が1950年代から急速に進み、アルファーセルロースの開発、アルカリ緩衝剤の効果確認と製造への採用、有害ガス対策の活性剤やゼオライトの採用など、現在では考えられる有害物へはほぼ完全に対処することができるようになりました。
しかし、一般にはpHが 中性であるものや無酸であるから安全と称するもの、有害ガスに対する対策が取られていないにもかかわらずガス吸着を行うというものなど、誤解や過大な表現などで、正しく作品の保存や展示を行おうとする者をミスリードするものがあることが目につきます。
この小冊子は、シート状の芸術作品の展示のための額装や保管について関心をもつ人達に、関連する材料としてプロアクティブ(先を見越した)な予防措置をとるマイクロチェンバーやアートケア技術について理解を深めてもらうために用意されました。
文書はアメリカのニールセン・ベンブリッジ社のURLに掲載されている論文の一部の翻訳です。

原文や他の関連論文は
http://www.nielsen-bainbridge.com/
の同社のサイトをご覧ください。


この小冊子が作品の保存・保護に関心を持たれる多くの方々にお役にたてることを願っております。

大河原泰介
ラーソン・ジュール・ニッポン株式会社代表取締役
文化財保存修復学会会員