COLUMN2021.02.25 UP
全国のすてきな額縁店 | 1
全国のすてきな額縁店 第一回ページワン様
「全国のすてきな額縁店さん」コラムの初回にご紹介するのは、静岡県内最大の政令指定都市である浜松市で40年近い歴史を持つページ・ワンさんです。
ページ・ワン様
静岡県浜松市中区鹿谷町2-7 電話 053-453-0596
WEB www.page1-art.co.jp Mail page-1@yellow.plara.or.jp
Instagram @page1_hamamatsu
「額縁店には入ったことがなくてちょっと不安…」という方にこそ是非訪ねていただきたい、明るくて開放感のある雰囲気のお店で、スタッフの皆さんのフレンドリーな笑顔とプロフェッショナルな提案によって、大切な作品にぴったりのフレームを誂えられること請け合いです。
細部までこだわりが詰まったお店のデザインは全て店主の間渕増栄さんが自ら手がけられた。
ラーソン・ジュール:
外観も内装も本当にすてきで、店内に置かれた家具類と額装作品の組み合わせも、実際にお部屋にアートを飾るときの参考になりそうです。
ページ・ワン:
前の通りはパリのサンジェルマン、という設定でお店づくりをしています。2階もちょっとパリのアパルトマンみたいな雰囲気が出たと気に入っています。実は敢えて少し雑然とした感じが出るように工夫しているんですよ。そのくらいのほうがお客様にくつろいでいただけると思うからです。「単に額や絵を売るのではなく、ライフスタイルを提案し、お客様の暮らしを豊かにするためのセンスを売るのが私たちの使命」という思いから、お客様にゆったり過ごしていただける時間と空間を提供することを、何よりも大切にしています。
ラーソン・ジュール:
お店のセンスに憧れて、額装作品の設置を依頼されるお客様も多いのではないですか?どのように対応されていらっしゃいますか?
ページ・ワン:
私たちはお客様のインテリアづくりをサポートするお店ですから、壁に取り付けるところまでを含んでサービスが完結します。大きな作品(縦横合計2000mmくらい)や複数を飾られる場合には、ほとんどお客様ご自宅の設置まで請け負っています。お客様がご自宅に飾られる作品の取り付けをしたところ、その方が銀座で個展をされる際の作品展示も依頼されて30~40点出張展示したこともあります。
広い窓から自然光が入って気持ち良く、作品の色味も見やすいデザインカウンター。
お店の奥には秘密の花園のような中庭もある。
ラーソン・ジュール:
日本有数のシャガール・リトグラフ・コレクションをお持ちと伺いました。
ページ・ワン:
元々店主がシャガールが好きで、30数年前にニースのシャガール美術館を訪れたときに、現地で直接シャガールのリトグラフを買い集めてきました。
シャガール愛好家が全国からお店を訪れたり、展覧会に貸し出すこともある。
ラーソン・ジュール:
販売されている絵画もすてきなものばかりです。少しご紹介いただけませんか。
ページ・ワン:
版画作品を中心に複数の作家の方の作品を扱っています。主力は、むらかみみかさん、綿引明浩さん、白駒一樹さん、内田新哉さんの4名で、どの方とも数十年の長いお付き合いです。額装して飾っている作品以外にもシートで作品を用意しています。普通は年に2回程お店で個展を開催していて、作家さんとファンの方との楽しい交流の場になっています。
作品展を開催すると多くのファンが集まり「生活の中でアートをもっと感じたい」「アートとインテリアについて学びたい」というお客様の熱意を感じてモチベーションが更に上がるそう。
ラーソン・ジュール:
ページ・ワンさんは、絵画以外にも布や立体物の額装も多く受けられていて、特にスカーフ額装のセンスに定評があります。スカーフの場合は、フレームやマットの組み合わせももちろん重要ですが、デリケートなシルク生地を傷めないように額内部に固定する必要があり、大変手間のかかる作業になりますよね。プロセスについて少しお聞かせいただけますか?
ページ・ワン:
様々なお客様のご要望に応えるために、いつも進化を目指す努力を続けていて、スカーフの額装もそのひとつです。長年試行錯誤して確立させた独自の方法で、1枚1枚丁寧に仕上げていて、仕上がりに満足されてリピーターになってくださるお客様も多いんですよ。
非常に手間のかかる額装のためのスカーフの固定は、丁寧な仕事で仕上がりに大きな差が出る、正にお店の技術の見せどころ。お店独自の方法で美しく、保存性にも配慮して留めつけられる。
スカーフ額装について 詳しくはこちらをご覧ください。
ラーソン・ジュール:
ラーソン・ジュールの商品も含め、たくさんの種類のフレームを扱われています。これだけ幅広い選択肢の中から、作品個々の魅力を引き立てるのに最適のものを選択されていることは承知していますが、ラーソン・ジュール商品の中から特にお気に入りのものというか、お勧めのものをご紹介いただけませんか。
ページ・ワン:
お店に来られるお客様に、額装の魔法を感じていただきたい。まるで新しい旅のような、新鮮で特別な体験を提供したい。そしてお客様の幸福感を共有したいと願っています。ラーソン・ジュールの商品には「異国らしさ」があり、私たちが求めるイメージを実現できるところが気に入っています。
スカーフ額装用としては、貝貼りフレーム「ジェパラ」(写真右下)を中心に、昨年は特に白いフレームの人気が高かったそう。
ラーソン・ジュール:
ブログでは実際に額装された作品に楽しい文章を添えてたくさん紹介されていますし、インスタグラムに投稿されている写真もすてきなものばかりです。
ページ・ワン:
オンラインでの情報発信は、この人がこの額装をしました、というようなイメージを与えないようにしています。主役はやはりお客様であり、作品ですから、それにスポットを当てて紹介したいからです。お店では、この人は接客、この人は加工、などと役割分担をするのではなく、全員が接客も加工もSNS投稿も、何でもできるようになることを心がけています。
インスタグラムに掲載される写真も額装デザインや飾り方の参考になる美しいものばかり。
Instagram @page1_hamamatsu
人、アート、フレームの出会いを大切にされる皆さんの心意気が詰まった、本当にすてきなお店です。お店のドアを開ければきっと、その先には今まで知らなかった世界が広がっていくことでしょう。